エリオット波動論では推進第3波を狙うのが王道とされています。
推進第3波は「推進波の中で最も小さくならない」というルールがあるため、大きな値幅が期待できるということから狙うのは第3波と言われています。
しかし、第3波を当てようとすることに優位性は無いと思います。
そもそも簡単に第3波を狙うと言いますが、実際に第3波と分かるのは推進波が完成した後です。
第3波かどうかは第3波と思ってエントリーした時点では、あくまで想定でしかありません。
エリオット波動論は「第3波を狙う」ということに意味がある!
言葉遊びのように聞こえるかも知れませんが、エリオット波動論は「第3波を当てるのではなく狙う」ことが大事です。
エリオット波動論の基礎が分かっていないと何を言っているか分からないと思うので、第3波やC波がピンと来ない方は、先に次の記事をご覧下さい。
まず、第3波を当てようと考えてエントリーすると思ったようにトレンドが発生しなければ失敗と考えます。
しかし、エリオット波動論では相場は「推進波と修正波の繰り返し」で、原則として
- 推進波は最低5波で構成される
- 修正波は最低3波で構成される
とされていますし、それは実際にチャートを見てもそうだと思います。
そして、第3波を狙うということは「第2波」がエントリーポイントとして重要になってきますが、仮に狙った波が推進波ではなく修正波だったとします。
その場合、最低3波構成ですから「A波・B波・C波」は発生します。
推進波は「第1波・第2波・第3波・第4波・第5波」ですから、途中までは「第1波=A波・第2波=B波・第3波=C波」。
つまり、第3波を狙って修正波だったとしてもC波は発生するということになります。
第3波の狙い方!まずは第1波を仮定しないと始まらない
相場には「調整」という言葉があります。
調整とは行き過ぎた値動きのバランスを保つ値動きのことです。
トレンドが発生すると価格は「平均乖離」するのに対して、調整には「値幅調整」と「時間調整」があり
- 値幅調整は、チャート縦軸(価格)
- 時間調整は、チャート横軸(時間)
のどちらかで「平均回帰」する動きになります。
ここで推進波と修正波を考えてみましょう。
- 推進波は、トレンドですから「平均乖離」にあたります。
- 修正波は、レンジですから「平均回帰」の動きになります。
- 推進波は、どれだけエクステンションしても、いずれ修正波が発生します。
- 修正波も、どれだけ複合しても、いずれ推進波が発生します。
ということは、調整波→推進波に切り替わるためには「一旦は平均値に戻る」ことになります。
そして、第1波は推進波の始まりの波です。
つまり、修正波→推進波(第1波は推進波の始まりの波)ですから「平均値を上回る(下回る)波を第1波と仮定する」ことができます。
第1波を仮定するために移動平均線を使う
「平均値を上回る(下回る)波を第1波と仮定する」ということなので移動平均線をします。
エリオット波動論で考えれば「どの期間の波動を見るのか?」で移動平均線の期間を決めれば良いですが、私の場合は波の内部構成を確認するのにRCIを使うので「SMA52」を使用しています。
波の内部構成を把握するカウントについては、次の記事で解説しています。
では、ここから第1波を仮定する方法について説明していきます。
チャートにRCI9で波を引きましたが、これもどの波を第1波と仮定すれば良いのかは分からないと思います。
そこで第1波を仮定するための目安として「単純移動平均線(SMA52)」を加えます。
第1波は推進波の初めの波で「平均値を上回る(下回る)波を第1波と仮定できるとお伝えしました。
そして、しっかりとRCIがターンして平均線を超えた波を探すと、次の2箇所です。
第1波を仮定したら第2波を確認する!
エントリーは第2波が完成したというタイミングで行います。
第2波には「第1波の100%を超える戻りは発生しない」というルールがありました。
そのため私は第1波(仮定)の押し戻りを狙っています。
フィボナッチでは、38.2%・50%・61.8%が重要な戻りの水準と考えられており、日本でも1/2(半値)や1/3というのは重要な押し目・戻り売りのポイントと言われています。
個人的には50%(半値)を基準にしています。
先ほど第1波と仮定したところにフィボナッチリトレースメントを合わせると、下ひげで50%にタッチしています。
また、第1波と仮定した波の50%に指値をすれば良いので、エントリーも簡単です。
トレンドの勢いが強くて戻りが浅い場合は38.2%でエントリーしてしまうこともありますが、基本的には深く考えずに50%で固定して構いません。
第3波かどうかはポジションを作ってから判断すること!
第3波を狙ってエントリーした後は、そこが第3波かどうか確認することが大事です。
あくまで第1波も第2波も仮定ですから、正しいかどうかは推進波が完成してみないと分かりません。
そのためにエントリーした後も気を抜かずに「カウント」するようにしましょう。
フィボナッチエクスパンションで第1波から1.618に設定する
エリオット波動論には、利食いの目標値を決めるのに「フィボナッチエクスパンション」を使う方法があります。
フィボナッチリトレースメントが戻りに対して、フィボナッチエクスパンションは拡張です。
エクスパンションの数値は、100(%)から「123.6、161.8、2、261.8、323.6、423.6」があります。
これを第1波の値幅に掛けることで目標値が計算できます。
第3波は通常、最大の波動となり、最も短い波動となることはあり得ない。トレンドに添って動いている間の第3波は、第1波の1.618倍となるのが典型パターン。第3波が修正 波動の一部(つまり、C波の中の第3波)であるとき、通常その波動の大きさは、C波の1番目の波動の1.618倍以下となる。
参考:https://www.panrolling.com/books/wb/elliott/elliott3.html
つまり、第1波の仮定が間違っていなければ161.8%は到達すると言うことです。
あまりにもチキン利食いが酷い人は、最低でも161.8%は保有するようにしましょう。
まとめ
今回はエリオット波動論の「第3波の狙い方」をお伝えして来ました。
ここまでの内容をおさらいすると、
- 平均線を越えた波を第1波と仮定する
- 第2波の戻りでエントリーする
- 第3波かどうかはカウントして確認する
といったところですが、第1波の仮定がきちんと波を特定できないと難しいかもしれません。
難しい人は「一目均衡表の雲」と使うと分かりやすいと思います。
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