個人的にエリオット波動論は「カウント出来ないと何も出来ない」と思います。
しかし、いざカウントするとなると「ここが第3波で、ここが第5波」というように、とくに根拠も無くいきなり数える方がほとんどです。
カウントはチャート分析の土台となる重要なスキルになります。
にも関わらず、詳しく解説されている書籍やサイトを見かけません。
もう一度言いますが、カウントはチャート分析の土台となる重要なスキルになります。
エリオット波動論のカウント方法
カウントを行うには「波の特定」が出来ないといけません。
すでにマスターしているという方は大丈夫ですが「波の特定って何?」という方は、先に次の記事からご覧下さい。
カウントのコツは「内部構成」を確認する!
はじめに、各波(第1波、第2波、第3波…)は単純に1つの波として現れるケースばかりでは無く、複数の小さな波で構成されている場合もあります。
つまり、
- チャートに現れている波を確認する
- エリオット波動論のルールを踏まえて波を特定していく
というステップを踏まないと内部構成が分かっていないので、過去チャートの後出しにも関わらず正しく波をカウントできません。
具体的には「RCI9・26」に沿って素直に線を引いたものを数えます。
エリオット波動論の何波にあたるのかは、その後に考えてください。
まずは左側の下降ですが、RCI26(青矢印)で見るとカウントが3で終わってしまいます。
仮に修正波(3波構成)だとしても、当てはまるパターンがありません。
ですが、RCI9で内部構成を見ていくと5波構成が確認出来ます。
ということは、推進5波が完成したと考えられるのでエクステンションを起こさなければトレンド反転してもおかしくないことが分かります。
これを踏まえて右側を見ていきましょう。
RCI26を基準にすると分かりやすい!
これは個人のやり方で正解はありませんが、私はRCI26を基準にした方がカウントしやすいです。
SMA52や一目均衡表の雲の波のサイズに対して、RCI26は内部構成となる波の大きさだからです。
そして、より小さい波を確認するのはRCI9で確認できます。
この辺りがピンと来ない方は「フラクタル」の記事をご覧下さい。
話を戻して、右側の上昇はRCI26で線を引いたものを素直にカウントしているだけです。
それでもポイントとなる「高安値」や「形成しているパターン」が見て取れます。
ですが、推進波というには形が美しくありません。
どこがと言うと③~⑥です。
①から③までのリズム(横軸)に対して、③から④で間延びしています。
そして⑥を付けたところで前回の高値を割り込んでいるので推進波では無いことが分かります。
強い推進波(トレンド)には、リズム感があります。
上げ下げの時間がある程度一定になるから、そのようなリズム感が出てくるのでしょう。
そう考えると③~④としたところはリアルタイムでトレードで「違和感」になります。
こういう時に内部構成を確認するのに、RCI26より小さいRCI9で考えます。
今までRCI26のサイズで動いていたのが、より小さいRCI9に切り替わったのだと想定出来ます。
でも、この時点では推進波のルールを満たしていますし、リアルタイムであれば第5波を期待したと思います。
しかし、結果として⑥で高値を割り込んだことで推進波ではないことが分かりました。
そして、⑥以降ですが推進波では無いにも関わらずトライアングルを形成して少しずつ上昇しています。
反転して下げても良いのに下げて来ない。
これも私は違和感で「上昇圧力が強い状態」と判断します。
リアルタイムで見ていれば、トライアングルを上抜けする波で再エントリーを検討したと思います。
1つ1つカウントすることで状況把握が出来る!
ここまでカウントの方法についてお伝えしましたが、難しく感じるのは初めだけで慣れてしまえば1分も掛からず脳内でチャート分析出来てしまいます。
ポイントとして、
- 波を特定する
- エリオット波動論のルールを正しく当てはめる
だけなので、繰り返し練習すれば誰でも出来ることだと思います。
しいて言えば、正しく分析出来ているかの添削があった方が迷わず真っ直ぐに成長できるので、この点はブログに掲示板でも作って添削できる場所を作りたいなと考えています。(添削希望者が集まりそうであれば)
カウントは利食いの判断い大きく役立ちます!
私がカウントをする理由はエントリーポイントを探すという面もありますが、ただどちらかというと「保有もしくは決済の判断に繋がる状況の把握」という方が大きくなります。
とくにスキャルのように1回のトレードで得る値幅が狭いと「利食いの上手さが収支に直結」してきます。
利食い目標を値幅観測や節目で判断する方法はスキャルは不向きで「1つの波の終わり」を見極めないと余計な負けが増えると実感しています。(想定間違いにいち早く気付いて逃げるというか)
どちらにしてもトレードをする上でチャート分析の精度を上げることはマイナスにはなりません。
ライントレードで節目をチェックするのも分析ですが、その節目を抜けるかどうか波動という視点を持つのもトレーダーとしての武器になります。
まとめ
今回はエリオット波動論の「カウント」について解説してきました。
カウントは「波の特定」や「エリオット波動論のルール」が正しくと身についていないと上手く行きません。
よく分からない上手く出来ないという方は、他のエリオット波動論カテゴリーの記事を読み返して頂くことをお勧めします。
カウントが出来ると自分のチャート分析に自信が持てるようになります。
他人の意見やシステムを参考にするのは良いと思うのですが、今がどういう状況で何がどうなっているかを最終的に判断して決定する力量は最低レベルとして備えるべきです。
さいごに記事中にも記載しましたが、希望者がみえれば添削掲示板を作ろうかと思っています。
個別だと大変なので誰でもオープンに見ることが出来るようにしたいと考えています。
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